アリーナ&遅筆堂文庫のスタッフがお届けする舞台裏ブログ

井上理津子さんは、旅と食、女性、人権の3本柱を中心に暮らしの中からテーマを見つけ、『さいごの色街 飛田』や『葬送の仕事師たち』などのノンフィクション作品を手がけてきました。長い間関西で活動したのち、50歳を過ぎてから東京へ拠点を移しました。

11年をかけて取材をした大阪の歓楽街「飛田」と現在取材を続けている東京の日雇い労働者の町「山谷」について、それぞれの独特のルールや取材で出会った人々の言葉を紹介しました。
街全体が「ギリギリの人々」を包括的に受け入れるセイフティネットの機能を果たしているなど、2つの街の共通点から浮かび上がる社会の周縁部の実情を説明しました。

次に、店主の人生が反映されたユニークな古書店や、航空、印刷、消防など特定のジャンルの資料を集めた図書館など、最新刊『すごい古書店 変な図書館』の取材の裏話を披露しました。

最後に「時間をつぶすなら図書館で」「係員さんに積極的に話しかけて」など図書館を活用したり、自分が興味を持っていることについて文章を書いてみたりして、知っていることをみんなで共有してほしいと語りました。そこから「人が街をつくり、街が人をつくっていく」と文化が広がっていくことを強調しました。