アリーナ&遅筆堂文庫のスタッフがお届けする舞台裏ブログ

映画・落語評論や大学教授など幅広く活躍されている寺脇研さんの講演会が終了しました。

井上ひさしさんや河合隼雄さんとの思い出や”モリカケ”問題、官僚、教育政策や、寺脇さんが理事を
つとめる山形市の東北芸術工科大学の取り組みなど、幅広くお話しいただきました。

寺脇さんは現在の自治体の半分が消滅すると予想されている「2040年問題」への対応として、子ども
たちに地元を学ぶことを通して将来どのように地元に貢献するかを考えてもらうことが必要だと語り
ました。
その具体例として、東日本大震災の被災地の子供達があるプロジェクトの中で「自分たちが故郷を
守り、子どもたちに伝えていく」と語っていたことを紹介しました。

そして「学びたい人が学べないということがあってはならない」、「教育を経済の道具にしてはいけない」
など、将来のビジョンを見据えた教育政策の重要性を訴えました。

質疑応答では「教育無償化」と「ゆとり教育」や「学習指導要綱の改訂」についてお客様から質問が
出ました。
これに対し寺脇さんはそれぞれ「誰のために無償にするか」、「正解のない問題にどのように
立ち向かうか」という考えから回答していました。

「まだまだ話したいことがあった」という寺脇さんから「井上ひさし先生から文化庁へシベールのラスクを大量に差し入れしてもらったことがある」とサイン会終了後に教えていただきました。

雪が降って冷え込みが厳しい中での講演会でしたが、ご来場の皆様、誠にありがとうございました。

今講演会が2017年の最後のイベントとなりました。
2018年は1月13日(土)開催の「図書館トーク」からスタートします。
ノンフィクションライターの井上理津子さんをお迎えして、膨大な量の取材の裏話や「大阪のおばちゃん」の観察眼で発見したことなどをお話しいただく予定です。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。