アリーナ&遅筆堂文庫のスタッフがお届けする舞台裏ブログ

山形県に降る雪は、庄内、村山、最上、置賜それぞれの地方に異なった質の水をもたらし、一方でお酒に適したコメを育てます。
県民にとって厄介な豪雪は、実は山形の良質な酒造りの源となっているのです。
こう説明した後で、「山形のお酒は、すごいんです」と小関敏彦さんは力強く語りました。

小関さんは山形県工業技術センターを拠点に、県産酒の品質向上のための研究と県内の酒造メーカーへの技術指導に取り組んできました。
「基本が出来なければ応用はできない」、「チャレンジしなければ新しいものを生み出すことはできない」という信念のもとで研究を続け、酒造りに携わる技術者と共に勉強会を結成し、切磋琢磨を続けました。
その県内外の連携が功を奏し、やがて東北各県、新潟県の日本酒は全国はもとより海外でも称賛され、とりわけ山形県の受賞数は他県を凌駕するようになりました。
また、厳しい基準をもって市場に良質な酒を提供しているという強みもあり、山形県産酒の輸出量は近年急激に伸びています。
小関さんは最後に、山形を観光など他の産業も含めた酒造りの一大産地にしたいと将来の夢を語りました。